今年の4月より新たに保険で治療できることが増えましたが、その一つがエナメル質初期う蝕の管理です。(かかりつけ強化型歯科医院に認定されていることが条件です)
以前までは虫歯で歯に目で見て見えるほどの穴が開いて初めて虫歯を削って詰めるという治療ができました。しかし、虫歯は突然できて穴になるわけではなく、少しずつ硬い歯の表面からミネラルがとけてだんだん歯の表面がスカスカな状態になっていくことで進行していきます。これを脱灰といいます。この虫歯の初期の状態では歯の表面が白くみえるようになり、この状態をエナメル初期う蝕といいます。(上の写真、歯と歯ぐきの境目の白い部分が初期う蝕の部分です)
今回このエナメル初期う蝕の治療が保険適応となりました。
この時期の治療は、歯面清掃指導、機械的歯面清掃、フッ素塗布(再石灰化を促進します)、食事指導などを行います。
いったん白く脱灰しても適切におうちでのケアと医院でのケアができれば少しずつ再石灰化といってミネラルが歯に戻って硬くなり色も健康な状態に戻ることも多いです。(長期間かかりますが)
この予防的な部分が保険適応になったということは健康増進型の医療の提供を目指す私どものような歯科医院にはとてもうれしいことです。
従来の悪くなったら虫歯を削って詰めるという歯科治療だけでは虫歯の部分を人工物に置き換えただけで、虫歯になる原因に対処していないので再び虫歯になったり、取れたりして再治療は必須です。
虫歯の原因である食習慣、毎日の口腔清掃にしっかりと対応することで虫歯予防はもちろん全身的な健康にもつながるのです。
当院においてもエナメル初期う蝕の経過観察をしている患者さんは多数います。しっかりと再石灰化に導きたいと思います。
院長
最新記事 by 院長 (全て見る)
- 学校歯科健診で歯の健康は守れるか? - 2017年4月1日
- 歯科から全身の健康を手に入れる! - 2017年2月11日
- 犬の歯の健康 - 2017年2月3日