日本の医療の問題点の一つである予防医療についての記事です。
「日本は欧米と異なる国民皆保険制度で医療費の自己負担が3割で済み、自治体によっては幼少時の医療費が無料のため“病気になってから治せばいい”との感覚が強く、予防医療に対する関心が低かった。“病気を予防する”ことへの意識を高めて、できるだけ長くQOL(生活の質)を高く維持できるよう一人ひとりが考え方を変えることも求められます」
予防医療が不十分だという問題は歯科だけでなく日本の医療全体の問題です。
例えば最近体調が悪いからと病院に行ったとします。
病院では、血液検査など診察して異常値がなければ大丈夫です、様子をみてくださいと言われたりします。検査データが異常値にならければ治療対象にはならないのです。
そして、医師は、検査が異常値になったところで、ようやく対症療法的な薬を処方して異常値の補正をはかります。生活習慣が関係する病気の場合、生活習慣の改善こそが原因療法になるのですが、病院側はあまり指導の時間がとれず、対症療法的に薬を処方するのみです。
高血圧、脂質異常症、糖尿病、骨粗しょう症、、、多くの病気がそのような治療となっています。
患者側もこのような日本の医療に疑問を持たない人がほとんどです。
しかし、検査値に異常値が出ない段階で、その兆候を患者さんは感じていることがほとんどだと思います。
よく眠れない、たちくらみする、頭痛、肩こりがする、味覚がおかしい、食欲がない、口が乾きやすい、いらいらしやすい、気持ちが落ち込む、口内炎ができやすい、、、、、様々な症状があったかもしれません。
まず未病の段階から、医療側が患者の生活習慣(食事、運動、睡眠、ストレスなど)にアプローチして改善することで、本格的な病気に進む前に対処できれば、副作用のある医薬品もいらず、最高の医療ではないかと思います。
私たち歯科医師、歯科衛生士は、毎日患者さんのお顔や姿勢、お口のなかを見ることで、患者さんの食生活の乱れや健康上の問題点を推察します。
虫歯のできる場所や進み具合、歯垢の性状やつき方、お口の粘膜の状態、お口の癖によるかみ合わせの変化など、を観察することでいろいろなことがわかるのです。
当院では、できうる限り、問題点の指摘と生活習慣上の改善方法をお話しています。
お口の異変は、実は全身の健康と密接に関係していますので、お口の不調にたいして悪習慣をやめて良い習慣に整えることで、お口の中のみならず同時に全身の不調が改善されることをよく経験します。
また、大切なお子様やお孫さんに、健康という素晴らしい贈り物を届けるには、食生活をはじめとする、毎日の生活習慣に最大限配慮してあげることが最も確実な道なのです。
でも、健康になるための食生活や生活習慣って、具体的にいったい何でしょうか?
テレビや、雑誌に載っている、あるいはネットに氾濫する健康情報を、うのみにしてもよいのでしょうか?
当院では、医学的に根拠のある生活習慣指導をおこなうために、このような試みもおこなっています、詳しくは こちらへ。
院長
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