乳酸菌はどうやって摂ったらいいの?

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週刊新潮(16年12月22日号)に”R-1ヨーグルトとテレビ局の裏金ステマ番組”という題名の記事が載ったようです。詳しくは下記のページが参考になります。

当院に受診する子供のお母さんに食事、おやつの取り方をお聞きするとよく乳酸菌飲料を毎日飲むという方がよくいます。その子供は重度の虫歯になっている場合が多いです。

お話を聞くと、”テレビで、この飲料を飲ませるとインフルエンザになりにくい”とやってるのを見たので、といって習慣的に甘い乳酸菌飲料を飲む習慣になっている人が多くてびっくりします。テレビの影響はよくも悪くも大きなものですが、それをステマ(ステマとは、企業がメディアに報酬を支払い、メディアはその商品が好印象を与えるように番組を制作、放送する行為。一見視聴者にはコマーシャルにみえないが、実際はただの商品宣伝。科学的根拠はなし。)として企業は利用しているという実態を、我々消費者は十分加味した上でメディアから情報を得ることが重要です。

それはそれとして、お母さん方に考えていただきたいことは、乳酸菌を摂ることで免疫力が上がり風邪を引きずらくなることはその通りなのですが、その乳酸菌をどんな形で摂るのかが問題だということです。

乳酸菌飲料メーカーが勧めるような甘いドリンクや甘いヨーグルトで摂ることがはたして健康に良いのでしょうか?乳酸菌飲料メーカーが勧めている乳酸菌でしか免疫力が高められないのでしょうか?乳酸菌を摂るならもっと他の方法はないのでしょうか?

もし乳酸菌飲料を飲む習慣があるならパッケージの成分表示を確認してください。ほとんどがぶどう糖果糖液糖、砂糖、アスパルテームなどが入っています。もし記載がない場合でも、炭水化物という表示があればそこに含まれていると思います。これら糖質や人工甘味料を習慣的にとることによる害は、乳酸菌をとるメリットをはるかに上回っていると考えます。

我々歯科の立場からいうと虫歯、歯周病になりやすくなるというのはもちろんのこと、メタボ、糖尿病、老化等様々な疾患に糖質の過剰摂取が関係しています。子供の頃から甘いもの好きに育てば、ほとんどの方が甘いもの好きの大人になるでしょう。

体にいいみたいだから、子どももほしがるから…..

そんな親心が仇になり、不健康への道を思いもよらず我が子に歩ませることになる。

怖い事ですね。

でも、食品企業が人々の健康だけをねがっているわけではないことは、親御さんにはいつもどこか心の隅においておいてもらいたいのです。営利のためなら嘘もハッタリもある可能性だって否定できません。乳酸菌飲料だけではなく、子どもたちの口から入る食べ物飲み物を選ぶ時、テレビで流される素敵な俳優さんのイメージとか、爽やかでスッキリとした印象の映像、可愛い子供用のパッケージなどなど….に惑わされず、冷静に評価吟味する姿勢を持ちましょう。

では、健康のために乳酸菌を積極的に摂りたい場合には、どのように摂取したらいいのでしょうか?

当院ではぬか漬けなどの漬物、納豆、しっかりと時間をかけて熟成された良質のみそ、などの発酵食品からとることを一番にお勧めしています。植物性の乳酸菌は胃酸にもめげず、腸まで届き効果を発揮します。という事は、和食中心の食生活を送っていれば、意識せずとも自然にとれているわけですね。わざわざ砂糖入り乳酸菌飲料を買わなくてもいいのです。

やはり、和食は日本人に適した食べ物であるがゆえに古くから受け継がれてきた訳で、ちょっとオシャレ感はないですが、堅実に我々日本人の味方になってくれるようです。

ヨーグルトで摂る場合はプレーンタイプ一択です。(でもジャムやシロップをかけてはいけませんよ。)日本人は圧倒的に乳糖不耐症の方が多いことなどの理由から、毎日とることはおすすめできませんが、時々取り入れるのは良いのではないかと思います。

あとは、量を十分とりたい場合は良質な乳酸菌サプリや医薬品がお勧めです。

当院では小さい方から高齢の方まで美味しく、安全に続けられる、しっかり効果のある医薬品レベルの乳酸菌サプリメントも扱っておりますので、興味のある方はご相談ください。

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智子先生

智子先生

たかち歯科小児歯科医院 副院長です。

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